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2013年11月13日水曜日

モジュール化

皆さんこんにちは 愛知営業所の田中です。
今回は昨今製造業、特に自動車業界で謳われる「部品のモジュール化」について少しかじりたいと思います。
今週の日経ビジネス(2013.11.11号)にも【動き出す「モジュール化」再編】なる記事がありました。
何でも自動車業界では2つのモジュール化が急速に進んでおり、自動車とは異業種の部品メーカーがカーメーカー出資のグループ会社を買収する、今後トヨタ系列でも中小零細企業まで再編が進む、など非常に興味深いものでした。
記事は「モジュール化という大波に乗らなければ、日本の部品に未来はない」という結びで締めていました。

そもそもモジュールとは、何ぞや?

イメージは何となくあるのですが、一応調べてみよう!ということで、以下ウィキペディアです。
 「モジュールとは、工学などにおける設計上の概念で、システムを構成する要素となるもの。いくつかの部品的機能を集め、まとまりのある機能を持った部品のこと。 入出力を絞り込み、標準化することで、システム開発を「すり合わせ」から「モジュールの組合わせ」にすることが出来る。」

うーん・・ ちょっとピンとこないと思うので、自動車を例にもう少し噛み砕きます。
子供が遊ぶブロックを想像して下さい。 そのブロックは結構高級なので、いつものボディやタイヤの他に、エンジンや足回りなど結構細かい自動車の主要パーツも何種類か入っており、その組み合わせ方で無限のバリエーションが出来ちゃう。
噛み砕き過ぎましたが、大体こんなイメージです。

元々自動車はエンジンなどの走行性、振動が少なく乗り心地を良くするといった性能を確保するために、部品と部品の関係を微調整する「すり合わせ型」の典型的な製品と言われていました。
しかしこのように部品間の細微な調整を一々していると、開発に掛かる時間、労力、コストが掛かります。
更に各々の部品を作る会社が違うので、それを纏める方(完成品メーカー)も大変です。
そこで「エンジンの吸気ユニット」「制御を含めたモーターユニット」といったように、いくつかの部品を組み合わせた半完成品をあらかじめ何種類か設計・標準化しておいて、その組み合わせで数多くのバリエーションの完成車を作ってしまおう、という発想がモジュール化です。

このモジュール化ができれば、性能を維持しつつコストの低減、投資の低減、開発期間の短縮、生産時間の短縮も実現できると言われています。
我々が製作する工業炉も、車のボディにあたる缶体や築炉、エンジンにあたるバーナーなどの加熱装置といったモジュール単位で設計製作してゆく必要もありそうです。
最近アルキープではバーナーを制御する「燃焼ユニット」を標準化しました。



従来ガス元・エア元位置からバーナーまでは、都度すり合わせしながら電磁弁などの制御機器や配管を組付けていたものを、一元的に既製ボックスタイプでパッケージングしました。
当然これもモジュール化の一つであり、前述したような生産時間の短縮など効果も出ています。
自動車の例に倣えば、この燃焼ユニットを最大限に活かすバーナーも必要ですし、そのバーナーを受ける本体の器もモジュール化し、そのモジュールの組み合わせで顧客ニーズを満足できる完成品をバリエーション多く提供する・・

ちょっと難しくなってしまったので、あとは社内でじっくり検討します。
何事も一筋縄ではいきませんね