静岡技術課の伊藤です。
今回は、簡単にですが、
機械設備のリスクアセスメントについてお話します。
機械設備製造者は、
機械設備が使用されることによる労働災害の発生防止に努めなければなりません。
その為、機械設備を設計・製造する段階でリスクアセスメントを実施し、
リスク低減した安全性の高い設備を使用者に提供する必要があります。
リスクアセスメントは、
機械設備に潜在する危険源を同定し、理論的な手順を踏みながら客観的に評価することにあり、
その結果を活用しALARP(As Low As Reasonably Practicable)の原則に則ったリスク低減プロセスの出発点に位置づけられています。
リスクアセスメントを出発点として理論的リスク低減プロセスを踏むことにより、残留リスクが明確になり、取扱説明書等で残された危険を機械設備製造者から機械設備使用者に伝えることにより、機械設備使用者側が実施するリスクアセスメントのベースとなり、機械設備使用者側におけるリスク低減に貢献できます。
リスクアセスメントに基づくリスク低減プロセスを実施することにより、機械設備使用者におけるメリットだけでなく機械設備製造者においても種々の恩恵が期待できます。以下にその主なものを列挙します。
①機械安全への直接的効果
1)危険源の顕在化により、漏れなく保護方策が適用できる。
2)リスク対策の優先順位がきまり、選択的応対が可能になる。
3)リスクの大きさに対応した合理的な対策が実施できる。
4)リスクの対象が明確になり、機械設備使用者に則した対策が実施できる。
5)機械安全の思考過程が明確になり、第三者の理解が容易になる。
6)国際的な機械安全の方向と整合性がとれる。
②企業経営への直接的効果
1)安全性の高い機械設備を提供する事により企業イメージの向上が図れる。
2)安全性差別化による競争力の向上が図れる。
3)リスクベースの経営的判断が図れる。
4)製造物責任予防として経営リスクの低減が図れる。
5)製造物責任防衛としてのドキュメンテーションが確立できる。
当社もリスクアセスメントを実施し、安全性の高い商品をみなさまに提供したいと思います。
資料:中央労働災害防止協会「機械設備のリスクアセスメントマニュアル」